壁と床がつながって曲線になっているホリゾントスタジオとは
ホリゾントスタジオとは
ホリゾントスタジオとは「外光を遮断し、壁と床の接合面をアールで繋いでいるスタジオ」のことをいいます。
本格的なホリゾントスタジオは、窓からはいった外光が、調整したライティングに影響することがないように窓をなくしたり撮影スペース全体が外光が入らないようにカーテンなどで光を遮断したりした作りをしています。
ホリゾントとは
「ホリゾント」は地平線を意味する「Horizon」という言葉が由来ですが、撮影の業界では「壁と床の接合面が緩やかアールで繋がっている壁」のことを「ホリゾント」と呼んでいます。
ホリゾントスタジオとは、壁と床が半径1〜2m程度の緩やかなアールで繋がっているスタジオのことをいいます。
壁と床のつなぎ目が曲線になっていることで、つなぎ目部分に影が出来にくいのが最大の特徴です。
おもに、ホリゾントには「白ホリゾント」という白い壁と床もあれば、数は多くはありませんが「黒ホリゾント」とよばれる黒い壁と床のスタジオもあります。
背景紙や布バックなどのバックペーパーをセッティングする必要がないため、撮影前の準備時間が短縮でき、しかも壁面全体を背景として使用できるので、背景紙や布バックと比較して背景が見切れにくく、複数人の人物撮影や大きな被写体の撮影も行いやすいのが特徴です。
1面Rホリゾント・2面Rホリゾント・3面Rホリゾントの違い
背景のみがホリゾントになっている場合を「1面Rホリゾント」、背景と片サイドの壁もホリゾントになっているものを「2面Rホリゾント」、背景と両サイドの壁までがホリゾントになっているものを「3面Rホリゾント」といいます。
ホリゾントを使用する場合の注意点
ホリゾントは背景紙や布バックを使用することなくそのままで白背景として使用することが出来ますが、ヒールの靴などの尖ったもので歩いてしまうと凹みなどができたり塗装が剥がれてしまったりします。
ホリゾントに載る前に、靴の裏を拭いたり、ヒールの底にテープでクッションのようなものを取り付けるなどして注意して撮影する必要があります。
背景紙のバックペーパーであれば使い捨てでもいいのですが、ホリゾントの場合にはパテ埋めや塗装などのメンテナンスが日頃から必要になります。
メンテナンスフリーでずっと使えるわけではなく、背景紙や布バック同様汚れや傷は付くため、靴の裏で汚したり傷つけたりしないように十分に注意する必要があります。
黒やグリーンなどのホリゾントも
多くのホリゾントは白色で塗装された白ホリゾントですが、一部のスタジオでは黒で塗装された黒ホリゾントもあります。
また、クロマキー合成用にグリーンやブルーに塗装したホリゾントを備えたスタジオもあります。